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超人になる! 第四回「生きる意志は、どこにある?」※有料

生きるということの中には、様々な英知が凝縮されています。

誰もが持っている「身体」と「生命」を通して、

その見えざるものを掘り起こし、共通言語に変えていくことで、

ヒトはヒトを超えた何かへと変容できるかもしれません。

大きな夢と希望を持ち、明日の世界へと進むための生命学講座、

第四回をお届けします!

超人になる!

第四回「生きる意志は、どこにある?」

長沼敬憲

消化管系×神経系=生きる意思?

始めに脊髄ありき――前回の連載でそんなフレーズが飛び出しましたが、覚えているでしょうか?

 脳-神経系というつながりから見ると、我々が司令塔だと思い込んでいた脳は “後追いの器官”にすぎません。

 つまり、脳が形成されるはるか以前から脊髄はうごめき、生物は生きていた。生きていた以上、そこには「生きる意思」があったでしょう。

 逆に言えば、

「生きる意思は脳のなかにはない」

 ということです。

 では、本質はいったいどこにあるのか? そんな疑問が自然と湧いてくるはずです。

 にわかに答えられる問題ではないので……ここでもう一度、身体全体に目を向けてみてください。

 図1にあるように、脊髄(中枢神経)は背骨に沿って伸びていますが、この背骨と並走するように伸びているもう一つの器官があります。お気づきのように、それが消化管(腸)です。

 初期の脊椎動物というと、上記のナメクジウオのような生き物が取り上げられることが多いようですが、こうした生き物の身体は、ほとんど脊索(脊髄の原型)と消化管のみで成り立っています。

 我々の身体と比べるとこのうえなくシンプルな構造ですが、ここでポイントとなるのはその「先端」です。

 そこにあるのは、エサを取り込むための口(口腔)。仮にこの先端の一帯を「頭」と呼ぶならば、原初の生物の顔の中心は「脳」ではなく「口」だったわけです。

この続きはこちらから、有料で(150円)でご覧頂けます。

-- Profile --

著者長沼敬憲(Takanori Naganuma)

1969年、山梨県生まれ。エディター&ライター。

20代の頃より身体や生命のしくみに興味を持ち、様々な経験を積む中で身体感覚としての「ハラ」の重要性に着目。30代で医療・健康・食・生命科学の分野の取材を開始し、様々な書籍の企画・編集を手がける。

著書として、ロングセラーとなった『腸脳力』『実践!腸脳力』(BABジャパン)、『この「食べ方」で腸はみるみる元気になる』(三笠書房)。エディターとしては、『死と闘わない生き方』(土橋重隆・玄侑宗久/ディスカヴァー・トウェンティワン)、『「筋肉」よりも「骨」を使え!』(甲野善紀・松村卓/ディスカヴァー・トウェンティワン)、『誰でも速く走れる骨ストレッチ』(松村卓/講談社)、『栗本慎一郎の全世界史』(技術評論社)、『人の健康は腸内細菌が決める!』(光岡知足/技術評論社)など。2014年1月、読者有志と「ハラでつながる会」を設立。毎月1回、東京都内などで「身体感覚セミナー」を開催中。

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