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はじめに

 

 2014年2月に刊行した書籍『締めるとカラダが動き出す! ヒモトレ』には、嬉しいことに刊行以来様々なご感想を頂いています。そのなかでも目を惹いたのは、著者の小関勲先生のもとに届いた一通のメールでした。

 送り主の藤田五郎さんは香川県内の養護学校で現役の教員をされている方で、実際にご自身の学校の授業で「ヒモトレ」を実践された感想を丁寧に書かれたメールからは、親御さんを含め楽しく「ヒモトレ」をされている様子と、専門家として一人一人の生徒の状態を確認しながら、「ヒモトレ」によってどんな効果があるのかが具体的に分かる大変貴重なものでした。(そのメールの一部は本サイトのレビューで公開してあります。

 そこで本編集部では小関先生を通じて藤田先生にコンタクトをとって頂き、「ヒモトレ」が養護学校の現場でどのように活用され、どんな効果があるのかを藤田先生に写真を見せて頂きながら伺ってきました。

01. 本屋さんで見つけたのが切っ掛け

 

 

—今回は弊社で出している『締めるとカラダが動き出す! ヒモトレ』を、先生が実際に授業で使われていると聞きお話を伺い来たのですが、そもそも「ヒモトレ」を知った切っ掛けはなんだったのでしょうか?

 

 

藤田 たまたま本屋さんで小関先生の本を見たのが最初です。その時に見たのは『[小関式]心とカラダのバランス・メソッド』(Gakken刊)で、やっぱり仕事柄、体や健康系の本に目がいくなかで「おや?」っと思ったのが最初ですね。

 

 

—どんなところに「おや」っと思われたのでしょう?

 

 

藤田 本の中で紹介されていたバランス・ボードの使い方です。バランス・ボード自体は養護学校でもずいぶん前から使われているのですが、どうしてもボードに長く乗ることが目標になって体を固めて乗ってしまう、つまり〝頑張って乗る〟ことが多くて、前々からそこに違和感を感じていたんです。ですから小関先生の「全身を使って頑張らないで立ちましょう」という文章を読んで、「これは今までのバランスに対する切り口とは違うな。」と、凄く新鮮だったんです。

 

 

—なるほど。

 

 

藤田 実際に自分で試してみても頑張らない方が良くて、そこで一緒に紹介されていた「ヒモトレ」も早速試してみたら、体の動きが違うので「これは面白いな!」と、授業で生徒にも使ってもらったんです。

 

 

—「ヒモトレ」のようなヒモを使うトレーニングはそれまでなかったのでしょうか?

 

 

藤田 ヒモを使うもの自体はありました。ただヒモで体を固定してしまうような結び方のものでしたね。どうしても脳性麻痺などで生じるアテトーゼ(自分の意志に反して動く不随意運動のこと)を抑えるためにベルトやヒモを使うものはあったんですが、「ヒモトレ」のように遊びを持たせてヒモを使うというのは初めてでした。ですから「これは面白い!」ということで、2月に出た『ヒモトレ』もすぐに買って読ませて頂きました。

 

 

—ありがとうございます(笑)。書籍『ヒモトレ』は如何でしたか?

 

 

藤田 助かりましたね。実は最初の本を読んだだけでは、どんなヒモを使うのかが分からなかったので宮脇書店の本店で実際に『ヒモトレ』を手に取って、「ああ、こういうヒモなんだ!」と(笑)。

 

 

—置いてあって良かったです。

 

 

藤田 ただ本だけではやっぱり分からないことや直接伺いたいことがあったので講習会に参加したんです。その際に「実は私はこういう学校で教員をしていて……。」というお話しを小関先生にさせて頂いたんです。

 

 

—小関先生の印象は?

 

 

藤田 本当に優しくて人当たりのいい先生だなと思いました。直接バランス・ボードの〝頑張らないで立つ〟というお話などを伺って「こういう発想があるんだ!」ととても新鮮でしたね。やっぱり体が捻れてしまっている子供が多いのでいわゆる正中線を取ろうとしてもなかなか上手くいかずに、頑張って体を固めてしまうんですね。そこで「バランスを頑張って取るのではなく、体をいい塩梅にして合わせる。」という言葉に「あ、そうなんだ!」と思いました。それが3月に大阪で行われた『ヒモトレ』の出版記念の講座だったんです。今度6月7日にまた大阪で行われる講座にも参加する予定です(笑)。

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